コラム

守る会メンバーによる図書館・読書・地域文化に関するコラムをお届けします。

図書館は「静かな場所」+「出会いの場所」

図書館というと「静かに本を読む場所」というイメージがあるかも知れません。でも、地域の図書館はそれだけではありません。司書さんに「こんな本ありますか?」と聞くと、思いがけない一冊に出会えます。おはなし会で子どもたちの目が輝きます。放課後に立ち寄った子どもが、気づけば本の世界に夢中になっています。

図書館は「本との出会いの場所」であり「人との出会いの場所」です。それを支えているのが、専門的な知識を持つ司書の存在です。

「読書テラス」と「図書館」はどう違うのか

市の計画では、羽ノ浦図書館と那賀川図書館は「読書テラス」に移行することになっています。カウンターには司書さんがいて、予約した本の受け取りなどもできる予定です。では、何が変わるのでしょうか。

その違いは、建物や本の数よりも、日々の「働き」にあるのだと思います。図書館では、司書さんが訪れる人の様子を見ながら本を選んで集め、棚を整えています。子どもたちがよく手に取る本、季節の行事に合わせた本、最近たずねられることの多いテーマの本——棚は少しずつ育ち、その町らしさが表れてきます。

読書テラスになったとき、この「その町の棚を育てる」働きがどこまで続くのか。まだはっきりしないところがあります。

本を手に取れる場所が残ることと、「図書館」が残ることは、まったく同じではないのかも知れません。私たちが両館を「図書館として」残してほしいと願うのは、この働きを大切にしたいからです。どんな形ならそれを続けられるのか、市とも話し合いながら考えていきたいと思っています。

※このコラムは書き直しました。以前の文では、読書テラスとの違いとして「本の貸出ができること」を挙げていました。市の広報や議会での説明で、読書テラスでも司書を置き、本の貸出を行う方針が示されてきています。そこで、それでも何が変わるのかを整理し直しました。

地域の図書館がなくなるということ

車を持たない高齢者、子ども連れのお母さん、放課後の小中学生——地域の図書館を一番必要としているのは、こういった方々です。阿南中央図書館(仮称)ができても、遠くて行けない方は大勢います。

地域の図書館は、地域の文化インフラであり、知の宝庫です。一度失われたものを取り戻すことは、非常に難しい。だからこそ今、声を上げることが大切だと私たちは考えています。